宝珠寺について

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和歌山県新宮市にある 「宝珠寺」(ほうしゅじ) は 1600 年頃、伊豆国の最勝院 16 世 説翁禅宗禅師によって、再建された曹洞宗の寺院です。
本来、 現在の新宮市の蜂伏地区の入口あったと言われている金錫山に天台宗の寺院として存在しておりました。しかし、幾多の 火災に遭い「湧水の池」があった木ノ川の現在の地に移転したと言い伝えられております。

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(宝珠寺本尊地蔵菩薩・掌善童子・掌悪童子)

御本尊は銅像の「指立延命地蔵菩薩」です。この地蔵菩薩は右足の親指が立てており、座っていながらも、常に慈愛に満ちた心で人々の救済を行なうことを親指で表わしている大変希なお姿です。 この御利益が「長生きでありながら最後は安らかに逝く」ことで「延命ぽっくり地蔵」と呼ばれ、地域の人々の信仰を集めております。

この木ノ川の地は、古来より龍神が住む土地であると言われ、多くの信仰を集めてきました。木ノ川奥にある滝壺の岩に「八大龍王 水神夜叉」の文字が彫られていることでも信仰の厚さを知るところであります。

近年では當山第23世福田純明大和尚の霊感により、白龍 を祭ることを欲する御告げを授かり、境内裏に 白龍神をお祀りしております。

 われは白龍神なり、古来より湧水の池に住む者なり
 われ今池潰され住む所なし。
 汝がわれを祭らば佛法と當寺とを護持したまわん。 


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(宝珠寺の白蓮)

境内の池には、7 月初旬から 8 月末まで 白蓮 が咲きます。
當寺の過去帳によれば、約 300 年前から蓮池の存在があり、命絶えることなく蓮根が生き続けている蓮です。
開花すると約30センチの大きさになり、品のある 白色の蓮を見ることができます。

蓮は仏の象徴であり、教えの中で譬えに用いられます。

 蓮になりなさい
 蓮はぬかるみや泥の中から生まれ
 水中で育ち、水面に頭を出します
 蓮は水の中から現れますが、濡れることはありません
 蓮のように、人々の中にいながらも、無執着でいなさい

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(インド国ブッダガヤの大菩提樹の写真)

當寺にはインド伝来の 菩提樹 が植えられております。
仏教をお開きになられましたお釈迦様は、現在のインド 国ブッダガヤという場所にある菩提樹の木の下で、瞑想し悟りを開かれました。
紀元前3世紀になると、この菩提樹の分け木をアショーカ王の王女サンガミッターがスリランカに仏教を広める為に、スリランカのアヌラーダプラという地域にある石窟寺に将来しました。
現在そこに根付いた菩提樹は、スリー・マハー菩提樹と呼ばれ、世界遺産として保護され、多くの人々 に信仰されております。

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(宝珠寺の菩提樹)

この菩提樹が昭和 43 年 (1968 年 ) にスリランカ政府の許可を得て、日本国名古屋市の速念寺前住職の文化功労者の前田惠學氏の下に分け木が伝わり、またその分け木を現住職が譲り受けたものであります。この菩提樹は、学問的にも、実際にお釈迦様が坐られた菩提樹と同じ木であると考えられており、2500 年以上命絶えることなく、當寺に伝来した大変貴重なものであります。

お問い合わせ先

〒647-0073 
和歌山県新宮市木ノ川360番地
宝珠寺 西 昭嘉
0735-31-8466